23日、土曜。

午前。ラジオで聞いたニュースによると、ここ数ヶ月ほどオークランド市内の治安が悪化していて、とくに飲食店をターゲットにした押し込み強盗の被害が多発しているらしい。

最初はオークランド南部のいわゆる"deepest part"に被害が集中していたのだが、犯罪の発生場所がじょじょに拡大されてきていて、昨晩はいよいよバークレーとの境界に近いあたりまで北上してきたんだとか。

夜間に外出することはめったにないので問題ないとは思うのだが、オークランドの南部・西部地区では、犯罪に巻き込まれるのを避けるために親たちが子どもたちに目立つ色の服装をさせないようにしている、などという話を聞くと他人事ばかりとも思っていられなくなる。

午後。誘われて「現代日本に根深く巣食うゼノフォビア」みたいなシンポジウムを覗きにでかける。スピーカーは、日本在住歴20年ほどで、帰化して国籍も日本というアメリカ生まれの白人男性。

彼が、友人やら日本人の奥さんとのあいだにできたハーフの子どもやらと一緒に温泉にでかけたら、そこは「外国人お断り」なもんだから自分とドイツ人の友人は入場を断られて、さらにはそこの温泉のマネージャーなんかと押し問答をしているうちに「日本人ぽい顔立ちをした上の子どもは入場OKだけれど、外人のようにみえる下の子どもは入浴してもらうわけにはいかない」というような妙な話になったんだけれども、これって人種差別なんじゃないか、21世紀の日本なんて労働力を輸入せざるをえないんだからこれじゃまずいんじゃないですか、というような話。

個人的に含むところがあるのはわからないでもないのだけれど、基本的には小樽にあるというその温泉の経営者とかその同類が阿呆なんですな、というだけであって、そんなところから「現代日本の社会情勢は云々」とか唇をとんがらされてもなあ、と。

ここ何年かで、少なくとも外人が横綱になる程度のご時勢にはなってきたわけだし。