13日、木曜。

午前。性懲りもなくセラーズに戻ることにする。

先回は正面からせめて玉砕してしまったわけだけれど、今回は「カントの解釈者としてはどういう仕事をしていた人だったのか」という方面から読み直して見る予定。

午後。セミナーは今日もパス。夕方のコロキアムから。

The Limit of Normative Drtachmentという題で、スピーカーはアマーストからやってきたカンティアン。

全体のDialecticがいまいち追いきれなかったのだが、構成主義の立場も突き詰めれば矛盾するし、構成主義をとらずにマッキー流のerror theoryを採用しても「かならず受け入れざるを得ない規範的命題が残る」、という形で道徳的判断の客観性が確保できるはずだ、というようなストーリーだったんだと思う。

話全体をうまく走らせるために、導入部分でかなり念入りに自分の立ち位置というか主要な議論の「ナビゲーション」が懇切丁寧になされていたのだが、そこを聞き逃したせいかいまいちはっきりした像を結ばないまま終わる。

ただ、構成主義の議論を片付けるところで、「規範的特性propetyは行為者の判断に依存しつつ成立する、というのが構成主義の根本的テーゼであるとして、当の判断の内容は信念のあり方に訴えるまで確定することができない」みたいな話をしていたので、「判断それ自体で規範性を構成するための基礎的ユニットは確保されるわけだし、信念云々を持ち込んで話をやっかいにする必要はないんじゃないか」と聞いてみたら、「自分もそう思う。実はこの話の続編はその方向から書こうと考えている」というような返事だったので、意外と私と同じようなアプローチをとろうとしている人なのかもしれない。

先生はだれだったの、とか、懇親会でつかまえてゆっくり話してみようと思っていたのだが失敗。

Target articleの選び方とかをみるかぎり、ハーバードの出身じゃないのかな、という気はするんだが。