2日、木曜。

午前。引き続き改定作業に励む。そろそろいいんじゃないかという気がしてきた。

お昼。決断。これにて打ち止め。

午後。Noeセミナー。今日からは「芸術作品の志向性」がテーマ。「みる」というわれわれの行為は、最初からすみずみまでフォーカスのあった高解像度の写真のような形で与えられているわけではなく、特定の情報処理を行ったうえで生理学的なインプットを「使用可能な情報」に変換する作業を含んでいる。そこから、われわれの経験は、さまざまな環境的要因を「使用可能」な情報へと変換する背景的知識がなければ成立しない、という使用可能性の一般理論が導かれるのだが、そこから芸術の問題にアプローチしてみるとなにがみえてくるだろうか、というもの。

まだ入り口の段階で、Alva本人も手探りしながらという様子はみえるのだが、「使用可能性」の想定のうえに、「生物学的機能が拡張されたもの」として人間の製作する道具一般を定義して、その人工的な道具が前提している認知的アフォーダンスを破るような存在物として芸術作品の入り口というものを考えてみてはどうか、という戦略らしい。

この人らしく、実際の芸術作品の具体的考察をふんだんに交えながら議論を進めていきたい、ということなので、そのへんを聞いてからでないと正直ポカーんという感じ。

夜。Sarah Palinという人のおかげでベーリング海峡の映像を生まれてはじめてみることができた。しかし、これをみても歩いて渡ってやろうじゃないか、という気にはならんよな。じっさい。

・・・ご先祖様はえらかったんだなあ。