8日、火曜。

午前。

たまっているものを一つずつでも読んでいかなければ。

こちらの人の言い方では、"dialectic brilliance"という言い方をするらしいのだが、話があっちいったりこっちいったりする書き方というのは正直なところどうなんだろう。

著者が「あの話題もこの話題も理解してますよ、そのうえで自分の抜け道を示そうとしているんですよ」というところを強調する効果はあるんだろうけれど、それがかならずしも著者の議論の説得力を証示することにはならなんじゃないんだろうか、という気がして仕様がない。

最近この手の書き方をしたものばっかり読んでるから(要するに、雑誌論文のレベルではstraightforwardな書き方をしてもrejectされるだけだから、それを避けて通るための効果的なテクニックだということなんだろうけれど)、いい加減嫌気がさしてきたということかもしれない。

あまり戻りたくないな、と思っていたカントが急に懐かしく感じられてきたり。

午後。セミナー。ストラウドがヒュームの「行為の理由=信念+動機」という図式を正面からたたいて、「評価的信念」というものが同時に行為者に対する動機付けとしてはたらきうる、というテーゼを論じるところ。

聞きたかったんだが、ばかばかしい邪魔が入って中座を余儀なくされる。

いくらなんでも勘弁してもらいたい、とは思うのだけれど。

夕方。あおりで、今日からTanner Lectures (on Human Values)が始まるところだったのだが、これも聞けず。

生Schneewindをみそこねてしまった。