10日、日曜。

朝。くもり。雪がちらほら。

午前。町内では「三九郎」、駅前では「あめ市」というお祭りをやっている様子。

先日、「サンクロウどうします?」と町内会の役員さんに聞かれてちんぷんかんぷんな会話をしたところだったのだが、旧正月に大掛かりな焚き火をやってお餅を焼いて、という行事らしい。

他地域でいう「どんど焼き」みたいなものなのだろうが、この地方ではだるまを一緒に燃やしたりするらしいので、それが独自の地域色になっているのかもしれない。

お昼。空模様をうかがいながら、鹿島槍までスキーに出かける。

安曇野を越えて、大町に入ると完全な雪国。

雪も降り出してきたし、偵察がてらすこしだけ滑って即撤収。

渋滞を避けつつ、温泉に入ってから帰る。

「地の利」を感じた一日。

夜。「あめ市」とか「三九郎」のやぐら(?)とか、「どこかでみたことある気がするんだが、いつだったかなあ」と考えていてふと思い出す。

そういえば、ちょうど去年の旧正月にいまの勤務先まで面接を受けにきたんだった。

例の一件で、病院に缶詰になりながら飛行機のチケットをとりなおして、入れ替わりで付き添いを頼んだ母親とも空港で文字通りすれ違ったまま連絡がつかず、後がどうなっているのかまったくわからない状態で太平洋を越えて松本までやってきて・・・。

あらためて振り返ってみると、駅前のホテルからキャンパスに向かう途中でみたお祭りが「あめ市」だったんだな。

で、「山は越えたらしいけれど、感染が広がっているんじゃないか」と心理的にけっこう切迫した状態で模擬授業をやって、ふらふら歩いて駅まで戻る途中、深志高校のグラウンドで三九郎の火が燃えているのをみた、ということだったらしい。

「駅に向かうのになんでそんな道を歩いたんだい?」といいたい気もするけれど、たぶんこの街の地理がまったくわかってなかったということなんだろう。

去年の日記を読み返したりして、なんにせよ今年は平穏無事でなにより、お願いだからなにも起こりませんように、という気分になる。