26日、金曜。

午前。キャンベル。『名指しと必然性』から「必然的」と「アプリオリ」は同義ではない、という話のところ。

授業終了後、ジムまで出向いて秋学期の登録。

午後。しばらくセラーズはみたくないし、時間のあるうちに新しいものでも読んでみよう、とコピーさせてもらったNoeの新著草稿("Out of Our Heads")。

基本的には、これまでの志向性に関する"sensorimoter approach"なり"actionism"の発想を拡張というか応用して、「意識のありかとしての脳」という神経科学者たちの前提をひっくり返してみよう、というものらしい。

"Consciousness is doing"とか"You are not your brain"というのがキャッチフレーズで、「意識を理解するには脳だけみててもダメですよ」というわけだけれど、前の本をしっかり読んでないのでこの本でどれだけ新しいものが出てきているのかは不明。

夜。院生さんたちのチームに混ぜてもらってサッカー。キャンパスから3分ほどのところに位置するUnderhillというフィールドは、人工芝にナイターつき、という豪華な施設。ついでに、会場内は私以外はほとんど全員サッカージャージにスパイク、という本格的な雰囲気。

今日の相手チームは学部生メインの編成で、みたところ平均年齢も20歳そこそこ。みるからに体力のありあまった連中が、「俺はやるぜ、俺はやるぜ」とばかり試合前のアップにいそしんでいる。

かたや、我がチームに目をやると、「博士論文執筆中ないし執筆終了いたしました、体力的にも精神的にもちょっぴり疲れがたまってます」というのがメインの顔ぶれで、ぱっと見にも「Tシャツ一枚になるとおなかのふくらみが目について・・・」といわざるをえないのが悲しいところ。試合前のコイントスの瞬間には、さすがに「ちょっと場違いなところに来てしまったのではないだろうか、怪我などせず無事に帰れればいいのだが」、とすこしばかり心細い気持ちになる。

そんな私の内心を知ってか知らずか、「若造どもになにができる、相手には俺の授業に出ている連中まで混じってるじゃないか」と全員で気合を入れてからキックオフ。

私も、「90年代の大学も知らない連中になにができる。いっちょうもんでやろうじゃないか」と張り切ってはみたのだが、試合開始後30分のところで前ぶれもなく足がつり、伊勢えびのようにのけぞりながらあえなく退場する。

もはや、気力を充実させれば体がついてくる年齢ではないのだよ。

・・・無念。