18日、金曜。

イメージ 1 午前。サンタクララまで、遠い親戚を尋ねに出かける。

オークランドを越えて、880をひたすら南へ一時間ほど。Haywardあたりからは交通量が減って快適な道のり。

イーストベイからだと、シリコンバレーが通勤圏内に入るというのももっともだ、と納得。

お昼。サンタクララ市内のショッピングモールで時間をつぶす。場所がらか、入っているテナントがグッチだとかなんだとか華やかなブランドばかり。

客層をみても、半ズボンにTシャツという「いつも」のスタイルはみあたらず、どの人も小奇麗な格好をしてさっそうと歩いている。

アメリカにもこういう空間があったんだな、ハリウッドとかにいくともっとすごいんだろうな、と妙なショックを受ける。

店内でアニメが流れている日本食レストランで昼食。

二時ごろにYさん宅着。こちらに来たときにはいつも感じるのだが、広々した敷地に芝生の緑が広がる「いかにもアメリカ」な高級住宅街。

日本式に年齢を数えると、この八月で米寿を迎える、という人なのだが、かくしゃくとして元気そのもの。(話題が、あの人もこの人も亡くなって、でもこの人はまだ生き残っていて、というところに集中してしまうのはすこし悲しかったのだけれど。)

おおよそ25年ぶりの再会なのだが、なんとなく記憶は残っているもの。喜んだ拍子に両手をパチリとたたくところなんかは昔の印象そのままだ。

前に会ったのは小学校三年生のときだったのだが、ヨセミテやサンフランシスコに連れて行ってもらったこと、サンノゼの家に泊めてもらったときのことなどがいろいろと思い出される。

次の25年がたったとき、自分はどうなっているんだろうか。

夕方。Yさん宅から車で5分ほど、お昼を食べたショッピング・モールの向かいにあるWinchester Mystery Houseというところに立ち寄ってみる。

ウィンチェスター・ライフルという会社社長の夫人が、ご主人と娘さんを立て続けに亡くす、という不幸にみまわれた後でとある占い師に相談をしたのだが、その霊媒師まがいの見立てによると;

「これはウィンチェスター社のライフルに命をとられた亡霊たちの呪いに違いありません。これ以上の不幸を避けたいのならば、一年365日、24時間、休みなく家を立て続けなければなりません」

ということなのだそうで、そのアドバイスに従って出来上がったのがこのお屋敷なんだとか。

そういえば、『ジョジョ』の作者の漫画で読んだことがあるな、などと思いながらガイドツアーに参加して家のなかを見学させてもらう。

入り口をくぐると、きっちり13段ごとがつながってぐるぐる回る階段。さらに進むと、入り口にしか取っ手がなくて中に入ると出られなくなる仕掛けの部屋。他にも、開けても隣の部屋しか見えない窓とか、奥行きが1センチしかない収納スペースとか、輸入した時点では12しかランプがなかったので後から一つを付け足してランプの数を合計13にしたシャンデリアとか。

金持ちが道楽かむしろ洒落で作ったとしか思えんぞ、という代物が次からつぎへと繰り出される様子は圧巻。

小さな屋根が、何十も縦横に組み合わさっている様子は、おとぎの国のお城というか、「アリス」シリーズのエピソードに出てきてもおかしくなさそうな建物。

外からみてるとメルヘンチックできれいな建物なんだが。

帰り。スタンフォードを見物する。椰子の木が立ち並ぶあまりにも広々としたキャンパス内に、ガソリンスタンドがあった。

Palo Altoの街も、こざっぱりと落ち着いたきれいな雰囲気でどこかとは大違い。

同じ大学街でもずいぶんと違うもんだ。こういう場所で毎日を過ごしている人がちょっぴりうらやましく思えたり。