12日、月曜。

Jay/Nikoの今学期最終セミナー。

スキャンロンの最後。Blameという道徳的現象がもつ「自由」の概念に関する含意。かなりの駆け足。

信じられないが、春学期はこれにて打ち止め。完全に自由の身になってしまった。(しっかり自己管理しないと。)

夕方。JP所属のSと「終わちゃったねえ」というような話をしていたら、「ロールズとかノージックを紹介した、日本語で読める入門レベルのよい文献はないだろう」か、という質問を受ける。

(なんでも、英語にずいぶん苦しんでいる日本人の生徒をひとり抱えていて、政治哲学の基本だけでもたたきこまないと落っことさざるをえなくなるんだそうな。)

それで、かれとオンラインで手に入りそうな日本語の文献を探してみたのだけれど、これがなかなか見つからない。「学術情報の電子化」という面で、日本はまだまだ後進国だということなんだろうな。。。

実をいうと、こないだもバークレーの日本史研究者の人と同じような話をしていたのだが、かれがいうにはバークレーの図書館では学術資料の電子化を徹底的に推進していて、日本史関係の文献なんかは片っ端からOCRにかけて活字化(ないし活字化のできないものに関しては画像化)してしまっているんだそうな。

著作権の関係がどう処理されているかはわからないけれど(おそらく大学側が相当額のお金を出版社なりに支払っているんだろう)、古い資料だけでなくって最新の本なんかでも図書館に持ち込めば電子ファイル化してもらえるんだそうで、「日本にいくときもフラッシュメモリ一本で資料の引越しができるからとてもらくちん」なんだそうな。

マイナーな雑誌になると、電子ジャーナルすら手に入らない図書状況に苦労したことを思い出すと、なんとも複雑な気持ちになる。

(哲学の場合、「引用頻度の高い日本語論文の数が少ない/日本人研究者が(単行本はともかく)日本人の書いた論文をターゲットにして論文を書くことが極端に少ない」、というのも学会誌レベルの電子化が進まない理由のひとつなのかもしれないけれど。)