17日、土曜。

朝。やることだけすませて、側道から本車線(?)に復帰。

お昼。セラーズの著作って、「科研費の報告書じゃないのか?」と思うような簡易製本のものが多いのだけれど、物理的なつくりだけでなくて内容的にもずさんな編集のものが多い。

ひどいのになると、収録されている論文のタイトルが目次に載っていなかったり、同じ論文が複数の本に収録されている場合だと片方のバージョンにはついている注がもうひとつのバージョンではすっとばされていたりする。

カントを読んでたころは、PhBでもSTBでもアカデミー版でも、校訂がしっかりしていたぶん安心して(というか書誌的事柄に関しては何も考えずに)読めていたのだけれど、いまにして思うとあれは長年の古典研究の成果があってこその安心感だったんだな。

しっかりした仕事というのは、こういう何気ないところで後の人たちに財産を残していくわけで、これは訓詁学的なレベルだけじゃなくって書かれたもの全般にかんして当てはまる原則なんだろう。

ぎゃあぎゃあ、じぶんの言いたいことだけ大きな声でわめいていてもしょうがないわけで、どうせなら「この人がやっててくれてよかった」というような品質の仕事をやらなくちゃいかんわけなんだよなあ・・・。

来し方はいまさら修正のしようもないわけだけれど、行く末くらいはなんとかならんだろうか。

はあ。一歩ずつ行こう。