6日、木曜。

午前。大学構内でVisiting Scholarむけのピクニック。

哲学に客員で来ている人たちと知り合いになる。日本からのビジターもたくさん出席。

司会のサムさんがとても愉快な人。フィンランド人の名前をちゃっかり笑いのネタにしているのがおかしかったり。

ミュンヘンから来ている二人組に、こちらでオクトーバー・フェストをやろうと思っているのだがこないかい、と誘われたり。

夕方。今度は「ファカルティ・クラブ」という由緒正しそうな建物で哲学科のレセプション・パーティ。

院生や若手のスタッフたちと知り合いになれたのが大きな収穫。

会場をうろついている老人と話す機会があって、つい、"Ah, can I have your name?"と聞いてみたら、"I'm John Searle"といわれた。

あたりまえっちゃあたりまえなんだが。

でも、他のひとと話してみると、Ginsbergさんなんかもバークレーに来た当初は"I'm now a colleague of Donald Davidson!"とかいって興奮していたらしいので、多少の「おのぼりさん」傾向はだれにだってあるということなんだろう。

ちなみに、サールはいま"Social Ontology and Language"をテーマにした本を執筆中で、つい最近北京まで講演旅行にでかけてきた、ということ(U先生の関係しているやつなんだろう)。10月あたまのパットナムの講演会にはでるつもりだ、ということだったので、なにか起こるかもな、とちょっとわくわく。

ギンスバーグさんからは、オニール/コースガード/ハーマン/ネイマンと、ロールズ門下から女性カンティアンがたくさんでたのはなぜなんだろうか、というような話を聞く。

ひとえに、哲学史の本をしっかり読んで、いたずらに斬新さを追求するよりは細かいところまでミスのない議論を心がけなさい、というロールズの指導方針がわたしたちにはあってのではないだろうか、というのが彼女の返答。

ロールズからは、理論の内容に関してより方法論上の影響をずっと強く受けていると思います」というのは(まるで判で押したように!)コースガードと同じ答えかただった。

ロールズは、「とにかく生徒をほめて励ます」タイプの先生だったんだとか。