13日、金曜。

引き続き引越し作業。ごしゃごしゃと本を詰め込む。新らしい家で箱を開けるまで一週間。「まあ使わないだろう」という本は箱詰めしてしまうしかないのだが、「いや、でも万一この本がいることになったら。またダンボールを開けて探すのも手間だしな」と表に残してしまう。

最終的に、本棚ひとつぶん程度の本が残ってしまった。一週間でどれだけ勉強するつもりなんだろう。

夕方。箱から引っ張り出してきた文庫本をぱらぱらとめくる。そのなかに、立花隆利根川進にインタビューしているものがあったのだが、これが結構面白い。

20年ほどまえ、利根川進ノーベル賞を受賞した直後に出た本で、立花隆が渾身の力をこめて「分子生物学の最前線」をレポートしているのがよくわかる。

よくわかる、んだが、イントロンの発見とか、当時は最先端だった話題もたぶんいまでは概説書に載ってる程度の話になってるんだろうな。

この分野の進展の速さというのはすごいものだな、とあらためて思う。

夜。空気が生ぬるくて気持ちわるい。

深夜。強風。木造の家なので建物がぎしぎしときしんでいる。