15日、木曜。

バークレーの総長からメールが届いていた。ここ二週間のあいだにキャンパス近辺で二件の殺人事件があり、市当局と共同で治安維持の強化に努めることになったので協力をお願いしたい、という文面。

一件は被害者が在学中の4年生で現場は女子寮の真ん前。もう一件は、大学関係者は含まれないものの現場がキャンパスから歩いて3分というところ。

自分もふだんからよく歩く(じっさい、事件当日も現場から一ブロックとなりの道を歩いていた)場所で、明るいうちは学生さんたちが行き来していてバークレーでは安全なほう、という意識があったのだが、どうやらそうでもないということらしい。

いわれてみると、たしかに、キャンパスの南側に"People' Park"という「いかにも」な公園(とある学生さんいわく、「あそこの公園の看板には本当の意味で"drug-free"と書かれている」)があって、「みるからに」な人びとが普段からたむろしているのだが、ここしばらくの騒動はそのあたりに震源地があるということらしい。

気をつけてみていると、"armed robbery"とか"gun shoot"のニュースは毎日のように報告されているようだし、あんまり無防備な格好で出歩かないほうがいい、というのが教訓なんだろう。

そういえば、このあいだ書いた移民局の「不法就労者狩り」はその後も続いているようで、「うわさによると」当局は公立学校をターゲットにした一斉取り締まりを強行したがっているのだが、教育委員会サイドが「それだけは絶対にやらせない」と徹底抗戦の構えをみせているということらしい。

キャンパス内で暮らしているとあまりリアリティを感じず、つい「自分は大丈夫」で済ませてしまいがちなのだが、こと安全面に関してはもう少し真剣に気を配ったほうがよい、ということなのかもしれない。


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夕方。部屋に閉じこもっていたのでよくわからなかったのだが、報道によると日中の最高気温は華氏96度(摂氏だと三十五度強、というところからな?)まで跳ね上がった、とのこと。

9時ごろに外出した時点ですでに「むわっ」とする暑さだったしな。

今日はいまいち進んでないし、どうしようかな、と頭の片隅で思いつつ、「いや、わたしは暑いのが大好きだし、このせっかくのお天気を見逃したらもったいないから・・・」という言い訳が圧倒的な勝ちっぷりをみせてインディアンロックまで散歩に出かける。

むかしの漫画なんかで、頭の中で天使と悪魔がケンカをすると悪魔のささやきが勝ってしまう、というのがあったけれど、あれとおんなじだな。

岩のてっぺんから、椰子の木を眺めつつ♪♪Surfin' USA♪♪♪とか歌っていると、となりのメキシカンなグループがガッツポーズを返してくれてすっかり南カリフォルニアな気分になる。

なんちゅうか、平和がいちばんだな。