4日、月曜。

朝。気持ちいい青空がのぞく。気温は低め。

午前はセミナーの準備。Scanlon, "What we owe to each other"を飛ばし読み。

いろんな問題に目配りがされていることとか、contractualismという発想の新しさとか、論じられるべきポイントを絞り込む手際のあざやかさとか、よく準備された「名著」であることは間違いないのだけれど。。。

午後。Wllace & Kolodny。"What we owe..."の第四章。

道徳のimportance(道徳的理由を考慮しないことは、その他の要件を考慮しないことにくらべて深刻な間違いである/三人称からみた道徳の特性?)とpriority(agentが重要視する道徳以外の考慮に対しても、道徳の考慮が優先しなければならない/一人称からみた道徳の特性?)をめぐるScanlonの議論に説得される人っているんだろうか?

Question beggingというか、読んでいてフラストがたまるというか。

「胸に手をあててよく考えてごらんなさい。誰も合理的に反論できない行為の統制原理、という発想のリアリティがよくわかるはずですよ。道徳意識の現象学として、これ以上受け入れやすいモデルはないでしょう・・・」。

こんなことをいわれてウィリアムズが「ああ、そうですね」と納得するのであれば誰も苦労はしないだろう。

かれの議論に最初からシンパシーを感じる人には、「強い味方を得た」ということなんだろうけれど、かれの視点に共感できない人間をcontractualism陣営に改宗させるだけの迫力があるのか、といわれると、だな。