14日、金曜。

午前。道徳心理学はWallaceが学会出張のためTAによる質問受付デー。

一回目のterm papaerがもうすぐ締め切りなので、学生さんたちもずいぶんと熱心。

「日本の大学生にくらべるとアメリカの大学生はよく勉強する」というような話を聞くけれど、ざっとみたかぎりこれは当たっているらしい。

MacFarlaneが、「ここの学生たちはサディスティックなまでに課題をもらいたがる」といっていたけれど、とくに優秀そうな学生ほどその傾向があてはまる印象がある。

もちろん、だからといって、学生の全員が知的好奇心なり勤勉の精神とから熱心に授業を受講している、というわけではないだろう。たんに、(日本にくらべると)在学中の成績が卒業後の進路に大きく影響するから、というドライな(そして、その分だけ強い動機づけにつながる)理由で彼[女]らは熱心にやってるんだろうと思う。

実際、バークレーの哲学科でも、いわゆる地方公立大学出身の院生の比率が意外と高かったりするのだが、そういう連中はおそらく(Jayから聞いたかなり婉曲的な表現を事実に即しつつ解釈するのなら)、ハーバードなりプリンストンをBottom Halfの成績で卒業した連中を蹴散らして入学試験に合格した、ということになるらしい。

「最低でも<A>、あわよくば<A+>の評価でセメスターを切り抜けよう」と考える充分な動機があるのなら、当然、一発勝負のあいまいな評価で点数をつけられるより、何度かのチャンスを堅実にものにしていくことで高スコアの可能性を少しでも高めることが合理的な戦略だ、ということになるわけだ。

しかしまあ、個人的には、学生時代くらい飲んだくれたり小説でも読んだりしながら高等遊民じみた暮らしにふけるのも悪くないんじゃないか、などと考えてしまうのだけれど。