二日、月曜。

降るのかふらないのか、朝からはっきりせず蒸し暑い天気。理由もなく思考力が宙に吸い取られていく感じ。

いわれのない殺人や暴動がおきるのは決まってこういう日なんじゃないかと思ったり。

午前。教えてもらった"Arts and Letters Daily"をゆっくり読む。いろんな人がいろんな所でいろんなことを書いている。あまりにも膨大。

「他人を飲み込んでは吐き出す」老女を報告したのはオリバー・サックスだったか? 他者の過剰な吸収{むしろ模倣?}で人格が痙攣をはじめる、というのも実感としてわかる気がする。

さしあたり、情報の切り捨てにそれほどリスクが伴うわけではない、とは充分に自覚しているつもりなのだけれど。

昼下がり。授業準備。アイデンティティの社会的構成に関する議論をアップデートないし増補する。

スライドやら配布資料もずいぶんたまってきたし、教科書なり新書なりのかたちにしてしまうのも一つなんだろうか。

ずいぶん長く付き合ってきたテーマだし、いいかげん「ケリ」をつけてしまいたいのはやまやまなのだが。

優先すべき仕事が多すぎる、か。

午後。オリバー・サックスで思い出して、いまや旧帝大総長の古い著作を拾い読み。オルダス・ハクスリーが、「意識の減量バルブ」を通じた過剰な情報の切捨てと「神経回路の保護」、というようなことをいってるらしい。

いまさら、ここまで話を広げるわけにはいかないか。

朝:お茶漬け。昼:野菜フライ。