6日、水曜。

蒸し暑くなってきた。

臨床哲学の御大が豊中組の大将になったんだそうな。あちこちに余波が飛び散りそうな予感。

午前。UCTVの「Conversation with history」からいくつかインタビューを聴く。サール、カーネマン、センと有名どころがずらり。学生向きの啓蒙番組ではあるけれど、「生れはどこ?」、「両親の影響はどのようなもの?」から始まってたっぷり一時間、根ほり葉ほり聞かせてくれるので小ネタ・雑学を仕込むには非常に有益。

カーネマンの山あり谷ありの人生にはびっくり。「大きい問題は知らないよ、私はあくまで一心理学者ですから」というスタンスの取り方がすごく気持ちいい。プロフェッショナルとして「どこまで越境していけるか」を自覚するセンスって、すごく大切なものなんじゃないか、と思えてしょうがない。

ふと、ノーベル「化学賞」の受賞者であることだけを錦の御旗に、「教育再生会議」座長を堂々と努めてしまっている御仁のことを考えてしまう。ニュートリノの人みたいに政治力なり行動力がある、というのならともかく、「母乳で育てろ」とか、居酒屋のおっさん談義にしか聞こえてこないわけで。

毒にも薬にもならんからこそ名誉職がぐりぐり回ってきてるのか。

それはともかく、大学製作のポッドキャストには面白いものが多い。オックスフォードでは、スタルネイカーのLocke Lecturesまで配信されている模様。(これはさすがにテキスト読んだほうが無難だろううか。音声だけ聞いてもわかる気がまるでしない。)

京都で言うと、文学部百周年の座談会なりシンポジウムの音声をウェブ上に貼り付けている感覚だな。SGさんと「テープから原稿にするのは面倒くさいし、付録に音声CDをつけておわりにしてしまおう」とか冗談で言っていたわけだけれど、それに近いものがすでに実現しちゃってるわけだ。

ものさえ選べば、音声なり映像情報を表にだす、というのはやってみる価値があるんじゃないだろうか。材料はあふれてるわけだし、設備もそろってるし、これも「人文知のアーカイブ」の一形態なわけで。

明日は西宮が麻疹で閉校中なのをいいことに夜更かし。

雨降りだ。

朝:パスタ。昼:カレー。夜:しゃぶしゃぶ。