18日、水曜。

最近、I-Podの"Philosopher's Zone"という番組の存在を教えてもらった。オーストラリア国営放送のインタビューアが、毎週30分、各分野の哲学者にいろいろ話を聞く、というもの。

先週、今週はチャールズ・テイラーが登場。テーマ自体は、ネオ・ダーウィニズムと「自己」の思想とか、普段からテイラーを知っていれば予想のつく方向の話ではあったのだけれど、70過ぎとは思えない堂堂たる話しぶりにおどろく。この人は政治家なんだ、と実感。

どう考えても原稿なしで、次からつぎへと議論をつないでいけるというのはなんなんだろう。キャリアの長さ? それとも、これがアンスコムのいう「オックスフォードの天才」?

興味を引かれたところでは、セキュラリティの問題を扱った第2の主著が、この9月に出版される、だとか、イラン国内で政治犯として投獄されていた哲学者とテイラー、ハーバーマスヌスバウム、ローティ、サンデル、ドゥオーキンたちとのインタニューを収めた本が近く出版されるはこびだとかいったもの。

前者は、AbbeyとかSmithの本なりインタビューが「現在進行中」とレポートしながらなかなか表に出てこなかったもの。後者は、イラン問題はむしろ後景に退いて、「正義」、「現代における宗教の意味」、「政治と宗教のありうべき関係」等の問題を正面からあつかったものだとか。

ひさしぶりに、テイラーをまとめて読んでみようかという気持ちになる。

###それにしても、こないだイスマエルさんから聞いた"Rorty is dying"という話はどうだったんだろう? 件のイランの哲学者は、2006年まで投獄されていた、という話なんだが?


朝:納豆定食。昼: