21日、土曜。

昨日はけっきょく夜までごろごろしてしまった。どうも、昔にくらべて回復力がにぶくなっているらしい。

午前。買って帰ってきた雑誌や論文集をめくる。「勉強してるなあ」という論文は目につくし、とくに同世代の人が書いたものをみると刺激を受けはするのだけれど、いわゆる「最先端」の論文というものに魅力を感じなくなってきてしまった。

向こうでそれ系のものばっかりみてきたから、ちょっと食傷気味なのかもしれない。

午後。そんなこんなもあって、ひさしぶりに『第一批判』を開いてみる。この本を開くのいつ以来かな。バークレーにはもっていかなかったので、たぶん二年ほどさわってなかったんじゃないかと思う。

いろいろと書き込みがあるのだけれど、卒論のころのものはもちろん、今となっては一番最近のものですらとてつもなく恥ずかしい。

こんなものは消してしまおう、と消しゴムを手にしてみたのだが、なんとなく「いいのか、俺たちは君の二十代の記録だぞ、いま消したら俺たちはもう二度と読めなくなるんだぞ」という声が聞こえた気がして、結局消せずじまいに終る。

夜。いま読んでいるものとのつながりで調べたいところがあったのだけれど、ページをめくっていると「もう一度ゆっくり読んでみようか/読まないわけにはいかないよな」という気持ちになる。